ビールの苦味

 8月も最後、そう夏が逝ってしまう…。
すごしやすい時期にはなるが…。
 A崎での営業を終え家路に着く、最終は転居済みとはこれいかに?
部屋に戻り豆腐とコンビニのスモークのタンにレモンをつけて、ビールをのどへと流した。
 細君の父がまだいるなら共に酒を飲もうかと思って細君に電話すると、まだいるとの事で明日は細君の実家へ行く事にする。
 すると急に昔の情景がまざまざと目に浮かんだ…。

 幼少の記憶、キッチンで父がビールを飲んでいる。私が欲しいと言ったので少し飲むが、苦すぎる。その頃では強烈な記憶だったので記憶に残っているのだろう。
 早くに死んだ父の顔すら今は思い出す事は困難だ、今や私が父と呼ばれる立場。
息子に『父』とはっきりと言葉で言われるのはいつだろうかと思った。
 しかしこんなダメな父では、いずれは父と呼ばれなくなる日も来るかもなと独りごちた。