アテロームの奇跡

今日は昼で仕事を終えクリニックへと向かう。

粉瘤あるいはアテロームと診断されて手術となった。昼なのに高速は混んでいるので、気ははやる。

手術はだいたい他のネットの説明あるいは口コミでは、だいたい30分あれば終わる簡単なもので、軽ければ10分くらいと書いてあったので気分は少し楽だった。

最初に看護婦さんの説明で局所麻酔の注射ははっきり言って痛いですがその後は痛みはましなので、注射の痛みは我慢してくださいね。と美人な看護師さんに言われた私は、はいと即答していた。まあ、注射くらい我慢してやるかの気分だった。

だが始まってから先生が皮膚を切ると。

あぁと呻いた。

炎症が広がっているな。と呟いたのを私は聞き漏らさなかった。

麻酔はチクっと痛いのは我慢出来たが、時折麻酔の効いていない場所を切る時にはさすがに痛みに強い私も泣きそうになった…いや泣いていた。

医療器具とはいえ、メスで肉片を斬られてるのだから痛く無いはずが無かった私個人の感想としては。歯医者と同じくらいの激痛だった。

結果的に都合1時間半かかった手術は奇跡的に成功した。

それは良かったのだが、手術途中は思ってたより長すぎるので不安が頭を横切らなかったと言えば嘘になる。

途中この先生はドSで身体を切り刻むのが好きでちょうどストレスを発散するのに私の体が最適な検体として来たのをいいことに弄んでるのではと疑念にかられたり。

また、屈強な男に犯されるのはこんな気持ちかなと一人で壁を見ながら終わるのを待つ受動態の気持ちにもなった。

やっと終わって先生が切り取ったのを見ますか?と聞いてきたので、私は迷わず、見ますと言った。これだけは先生から聞かれなくても、見せてもらいますか?と命令形で指示しようかと思っていたくらいだ。

その肉片の周辺は黒く炎症しており。その様相は、まずそうなハラミ一人前くらいだった。

焼肉屋に来たのかと間違える感覚だった。

どちらにせよ牛肉は補給しないとなと思った。

他の肉で無くて牛肉を激しく希求した理由はわからないが、夕食は私の苦手な魚の味醂干しに大根の煮たのだった。

私に精をつけさせたく無いのか、気を遣って優しい日本食にしたのかは不明だった…。