文明の繰り返される悪夢

 或フランスの学者が日本を訪れた際に日本にはまだ尖閣諸島北方領土等の現在の文明社会では畏怖すべき前時代の領土戦争の悪夢が今だ残っているのとは恐ろしい。

 日本は一度ならず二度も経験せねばわからないのか?という主旨のコメントがあった。
しかし言おうか?ならフランスの現在の植民地であるニューカレドニアに行ったがそこではまさに現在も続く植民地支配の現状をまざまざと私は見せつけられた。
 彼の地ではオーナーがほとんどフランス系と思しき白人で送迎バスやレストランのメイドなど使われる者達の大半はほぼ現地の黒人であった。
 まだ第三世界に必ずいる物乞いがいなかったので、いや旅行者の限られた世界の中での私の行動範囲内でだが…それでも眼にする事がなかったというのは政府が統制しているのか或いは福祉が行き届いているのかは定かではないが。
 それら諸々から感じとった差別の空気はフランス国家に対して美しい南の諸島を現地の者に全て返すべきなのではないのかという事だ。