カジノ

 14時頃の飛行機で本島へ戻るのでそれまでは暇だった。
 ホテルの人が出発まで部屋を使っていいよと言ってくれたので言葉に甘え昼過ぎ迄寝ていた。
 昼を過ぎてする事も無く浜辺などをブラブラしていると、ホテルの人が大男を連れてやってきた。
 この人は新聞社のジョゼフと言いますと自己紹介をし、あなたはフランス語がしゃべれるので是非このニューカレドニアについて話を聞かせていただきたいと言って来た。
 私は戸惑いながらいくつかの質問に答えた。
 何故ハワイとかではなくここなのか?ここのどこが気に入ったのか?等々…。

そして本島に戻り今夜も奮発して海の幸を堪能する事にした。オマール海老、生牡蠣、生貝、色々な新鮮な海の恩恵にあずかった。
 その後、ツアーのクーポンでついていたカジノの無料のコイン引き換え券を携え或るホテルのカジノへと向かった。受付の女性は電話で流暢なフランス語を操っていたが紛れも無い日本人であった。ここカレドニアでは多くの日本人の現地で仕事をしている人を見た。ま、旅行関係の仕事ばかりだったがよもやカジノの受付で日本人が働いているとは夢にも思わなかったのでびっくりした。
 カジノではこれまたクーポンで酒を頼み、しばらくはルーレットやブラックジャックを眺めながらどうしようか思案していた。考えているだけで時間が過ぎ、いざ自分がチャレンジしてみるとなんとなく勝って行くのが不思議だった。最終的には3千円の儲けになり彼女とタクシー代くらいは浮いたねと話あった。
 宿泊していたホテルが近かったので徒歩で帰ったが、人通りの少ない幹線道路を歩くのは、たとえ治安が良好な場所でも少々勇気がいった。
 もしここで多少でもカジノの運を使っていて襲われたとしたらと気が気でなかった。
 無事にホテルに着いた時はふーと安心した。