督促OL修行日記

督促は天職だと思っていた。最初に電話をかけた時に対応したお客様は覚えている。タクシーの運転手だった。その頃の私は仕事もせず夜中ずっとドラクエしていたような生活だった。そのフラフラしていた時に派遣の仕事でたまたま適当に派遣登録して行った先だった。そこは消費者金融の督促で怒鳴られたり嫌われたりするのが普通だよなと最初から、思っていた。でも最初に出たその人は違った、それが続いた全てだ。いきなり感謝されたのだ。身内も誰に頼んでも貸してくれなかって、もう首を吊るしか仕方ないところまで追い込まれていたところに、あなたところに融資してもらって助けられたのですよ。とそのタクシーの運転手は言った。まさかこんなところに人助けがあるのかと私はこの一言でこの仕事を続けていく指針となったのだった。