無音

 細君からメールで今日の夕食はガシラの空揚にしますと。
今日は仕事の関係で遅くなり無理だと電話した、明日は私の実家へと帰る予定にしていたのだ。その後ならば私実家へ帰るので明日来てくれますか?と。
 しかし疲れてる身でそこまで行くのは無理とメールをしたにもかかわらず…。
 その後の電話であなたが帰ってこないと聞いて実家へと戻りましたと。
???何故だ?明日の予定を考えると、それじゃ無理だと考えるが…。

 怒る俺と反撃する細君。もうダメだ、別れを告げる俺。了承する細君。
 ガチャンと一方的に携帯を切る。尚も携帯に着信が鳴るが…。
携帯の電源を切り。寝る…。
 無音の静かな携帯のオブジェが鎮座する部屋…。
 もう鳴る事の無い、無音の携帯は勇ましさだと私は思う。
そう、拒否する力が…。
その無音の情熱とも呼ぶべき…。