精神の危機 或いは狂気の隙間

 あるスナックのママと連絡がとれなくなってすでに2週間が経とうとしていた。
 一週間前に角と名乗る男から連絡が入った。「ママの事で支払いの相談があるのですが…。」と
 「彼女が精神病院へ入院してしまって、支払いがどうも困難なのでが…今少し時間があいたので連絡させて頂いたのですが…」と対応した新入社員の女の子が言うには。その短い言葉で電話は切れてしまったとの事であった。
 しかし、諦めながらも今夜も携帯に連絡をとってみた。
 すると毎日何度となく電話していた携帯にやっと本人が出た。
 最初は普通に会話していたのだが入金の件に関して詰めていると急に切れた。
 「わかってるわよ、しかし私の部屋に鍵をかけたのは先生じゃないの!支払いはしたいわよ、だってこんな私に大金を融資してくれた恩も忘れてないのよ。ここから出してよ!頼むから。」