文才と小説

「文才がなくても書ける小説講座」

書くということは、書いたことの不足を埋める作業です。つまり、一語でも一文でも書かなければ始まらない仕事なのです。

書くべきことはなくてよいのです。書くからこそ、それが徐々に見えてくる。P42

でまかせの一行でいいから書いてみる。P44

芸術は得意分野ではなく、不得意分野に挑む営為です。画家は〈目に見えるもの〉ではなく〈目に見えないもの〉、たとえば自分の思いや衝動を絵によって表現しようとし、小説家は〈目に見えるもの〉をあえて言葉によって描くのです。P109