哀愁、秋の音

久々にティッシュを配る。何かしら人いきれの悲しさが襲う。様々な人が行き交う。
 パリの郷愁が何故か襲う、私の心に…。いつも通る車椅子の老夫婦が来る、ティッシュが欲しいと、お婆さんが押す車椅子に咳をしながら乗ってる老爺。喉が悪くてティッシュが重宝してねと…お婆さんが言った。私の祖父も喉が悪く、思い出していた。大量にティッシュをあげる。

 その後戻ってきたのでまた大量にあげようとすると、駅のキオスクで買ってきたと思しき喉アメをくれた。断ったが無理矢理持たせられる。あげたティッシュに比べればお金がかかるだろうに…。と思ったが断っても無駄だったので快く頂いた。何故か涙が止め処なく溢れた。一体どう言う事だろう。私を孫のようにおもっての事かその心中は定かではないが…。私はコノ…ティッシュ配布を通じて老人や学生との一瞬の邂逅を大切にしたいと思った。
 そして支店に戻り、今日は早く終わって、支店の飲み会。軽−阿ミルクを次々と飲み干すヘルプの彼女。
私といえば、飲み放題の為ビールから始まりワイン、日本酒とチャンポンしながら人と人の流れの中でやがて生まれ来るわが子を思いながら、やがて産まれれば死すべき定めを不憫に思いながら同じ死すべき私の来歴とこの後の行く末をどうけじめをつけるかと思案していた…。