タイの祈り

 休みを利用して、タイはバンコクへ行った。相変わらず熱帯の風が身にしみて、或種の安心感が身にまとわリついた…。
 今回は、見知らぬ街へ出かけようとバスを適当に乗り終点まで行くと或キリスト教の教会が目の前に現れた。
 なんとなく教会へ入り、イスへ座って聖堂をただ眺めていた…。仏教国のタイでは珍しい寺院だ…。ふと私の前に座っている青年に目を止めると、以前旅行先で会ったますっちである事に気づいた。彼は一生懸命に、神に祈っていた。この南国の地で…。
 祈るべき何か。空港での邂逅。見送り。女。浮気と本気の叙情。関連する行動。国と国。出会うべきして出会う。体と躯と身体。青春としてのアイデンティティ。言葉たち、パロル、ジャック・プレヴェ−ルの詩。ラオスへと向かうバス。ここは世界だ…。そう果てしない世界が現前に広がる。熱帯の海を眺めつつ…。