玉蟲色の空

  ある夜明けとしての残虐
空を飛ぶ飛行艇が、夜の闇の上を飛んでいた。
 廃虚と化した昔の工場後は、閑散とした空気と、寒気のする空気がこもごもとなれ親しみ合い、一種異様な空気をかもし出していた。 
 そして、或要人が或高級ホテルに宿泊したのは、或重要な会議に出席するためであった。
 他人の命を奪う事は出来なかった、それよりの自分の命をたえさせる事の方が簡単でったから。