人間の傲慢と虚勢された果ての性欲

 拾って来た猫が昨日から「ねうねう、にゃー」と泣き叫んできた。
ラブジュースを出しながら…そう繁殖期。
 かわいそうだが虚勢の手術をすることに。
そう、その叫びはうるさいことこの上ない…。
 多少なりとも人間の生活に合わせる為に…。

 後悔?一人でこの世界で立ち回れるようになるまではと拾ってきたが外の世界へと放り出すのもかわいそうと今まで来たが…。
 果たして彼女にとってそれが幸福な事であるのか?今は自問するのみだ…。
 野良猫の自由な生活が果たして彼女にとってはよかったのではないか?私の傲慢な…人間の傲慢な仕打ちに彼女がどこまで納得できるのか?
 祖父を思い出していた。病院のベットで胃から注入される栄養剤によって生きながらえる彼…。このまま生きていて幸せか?と…。私が彼の立場ならすぐに死を希望するであろうから…。
 私はただ…これからも猫である彼女の人生ならぬ猫生を見守りながら、そして祖父の命の持続を見つめながらただ人間の命に対する傲慢さを常に意識しながら私も生きていかざるを得ない生活をただ闇雲に過ごしていくのみである…。