そんな破天荒なドラマは二度と制作できないのだろう…
『傷だらけの天使』の撮影は最後の最後まで、シッチャカメッチャカだった。
しかしいまだに語り継がれファンが多いというのは作品の持つ力であり
その当時の才能が集結した壮大な実験的な手法によるものが大いにあるのだろう
過激なシーンも多く、世間からの批判が多かったのも当然だろうが…
赤坂のディスコ「ビブロス」で見かけた世界的文豪が、若い女をはべらせてはハイミナールを貪り食っていた。
いつも女たちの股に手を伸ばし、口の周りを真っ白にして、鳥を思わせるように目を剥いて。
というのは川端康成だろうか?
しかしこの描写ではまるで妖怪。
- 作者: 萩原健一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/03/14
- メディア: 単行本
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しかしこの本はショーケンの立場からの話であり書かれてある人や話の真相はどうだろうかと疑問は持たざるを得ない。
物事の勘違いや記憶違いも考えられるし、立場によっては考え方も変わる。
しかも、本人が語った事を本にしているようなので若干のずれも出てはくるだろう。
ショーケンが共演者の田中絹代に溝口健二、小津安二郎、黒沢明などの作品に出て監督の感想を聞いた時に
『みなさん、同じですね。あの方々は、人の魂を食べて生きている。人の魂を食べてね、そういう方たちですね』
すごい作品を作るというのは人の魂を食べ、自分の命も削っていくのだろう。