チェコのヤン・シュヴァンクマイエルの哲学的ホラー?
監督のヤン・シュヴァンクマイエルの肩書きの一つにシュルレアリストとあった。
過去の遺物であると思っていたシュルレアリストが現在に存在するというのは奇妙な感覚であった。
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 2007/08/22
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キリスト冒涜者の黒ミサの際に食べるチョコケーキの意味はなんなのだろうか?
聖杯につばを吐くが本当の黒ミサなら精液を入れるのだそうだ…
シーンの所々に無意味に挿入される肉片や贓物のダンスにシュルレアリスムの匂いを感じたが…
一つのモチーフとしてどこかにまとまって挿入したほうが効果的なのではないか?
ストーリーはサドとポーを下敷きに単純でエログロ。
精神病院或いは精神病を題材にして現代の管理社会における「自由」という概念あるいは自由思想の持つ両義性への疑問、革命における狂気と正義の反転、そしてそれらに付随する哲学的考察が作品の根底に流れている。
はたして意思を持つ夢を見る肉片に至った時、哲学は可能なのだろうか?自由はあるのだろうか?