トンカツM太郎

 再度、祖父の所へ。初の曾孫との対面に祖父は恥ずかしそうに頭をもたげた…。
帰りに和歌山ラーメンを食べる。昼前にオークワで玉林園のラーメンを食べたが2度目のラーメン。
 むしょうに和歌山のラーメンを食べたくなる。そう「失われた時を求めて」のプルーストのようにマドレーヌを口に入れた時に甦る過去の記憶が…。

母と夜、駅の近くの橋の上で、たぶん無許可であったろう、そのラーメン屋は4人が座ればいっぱいだった。そして茹でる鍋の熱気で部屋はかなり熱く換気扇がカタカタと勢いよく回っていたのを覚えている。そこにたまたま母と来た同級生と顔を会わせたがなんとなく気恥ずかしい思いをしたものだった。
 夜も19時頃になりそろそろ帰ろうとした。明日まで居ればまた動くのが億劫になる。夕食は何か買って帰ろうとした。急にトンカツにしようと思った。そう家の近くのトンカツ屋M太郎も幼少の頃から親しんだ味だった。独特のソースと、やわらかいヘレカツ、持ち帰りした後のもろもろになったコロモも大好きだった。
 現在の飽食の世界では記憶は舌と共に発展するのか?