嘘の錬金術

 嘘を真実に変える
 相手がつく嘘を別の形で本当にさせるのだ
 ネゴシエーター
 そう我は交渉人たる
 マクロ的視野からミクロ迄を考察するのだ
 そう嘘の国の帝国との戦い
 人類が始まってからの
 思い出して欲しい
 アトム
 ロボットは嘘をつけなくされていた
 しかし良い嘘と言うのを知ったロボットは苦悩すべき
 赤ん坊の微笑みと詐欺師の笑みの緩慢なる感歎が
 やがて明るい空から降る雨の後の虹の空虚さと
 暑い最中の頬に降った雪の現実感とを
 交互に確かめて路傍に確執だけが残る