「今ここに証を求める!」と長老が声を張り上げて言った。
何人かの女性が私こそ王女だと主張していた。
そして今日それぞれ皇女としての証を持ち寄っていた。
或る者は月の雫を、また或る者は竜の産着を、飛行石を、海の紋章を、雪の結晶のネックレスを、雷の指輪を…等々互いに持ち寄っていた。
そして全く何も持ってこない女性が一人「私のこの肉体こそが証です」と言い放った。
魔法の国ザンス(16) ナーダ王女の憂鬱 (ハヤカワ文庫 FT)
- 作者: ピアズ・アンソニイ,山田順子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/05/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (19件) を見る