少年と太陽

 太陽がのぼっていた。輝かしい陽光を浴びて少年は静かに眠っていた。
 彼の寝ている芝生はその陽光により、何にもましてみどりの輝きを周りにまき散らしていた、しかしそれ以上に彼自身が草の生きている緑の臭いを辺りにまき散らしていた。
 風が吹いていた、やかましく、ひゅうひゅうと・・・結果的に、騙し騙しの人生であったとしても、ここにいる僕はけっして華の奥に住んでいる小人では決してなかった。
 少年は長いあいだ、その公園の芝生に何時間でも眠っていることができた。