シェルシュ・ミシェル

 組長が殺された!
『ちよみ』を捜せという指令が出た。潜魚ホテルで滞在しているとの情報だ。
幹部が総動員で向かった。破壊されたクラウン・マジェスタでホテルへ着くと二手に分れ、先輩の小陸さんが「わしらは正面からドアを叩き突入するんじゃからおまはんは窓から侵入しろ」と言われた。
 屋上まで上がり、ロープで『ちよみ』の部屋の窓までスルスルと降りていった。
窓を蹴やぶった時の衝撃で砕けたガラスの破片が頬を切った。『ちよみ』とその配偶者と内縁の夫とその愛人が乱闘中であった。目玉焼きを作る時の片手で卵を割る時の素早い速さで、持っていたオモチャのピストルを『ちよみ』の顳かみに当てた。
 「やめて、言う通りにするから!」と『ちよみ』が叫んだ。
無事に3人と『ちよみ』を確保した。
 ドアを開け廊下を出ると、『ちよみ』の手下がうじゃうじゃいた。
降参だ…人数でもかなわかい。凪芽が手下に向かって行こうとしているのを小陸さんが必死で止めていた。凪芽は全く止められないほどに怒り狂っていた…。
 しかしマシンガンの銃口がいくつもこちらを狙っていた。ので勝ち目は全くと言って良いくらい無かった。
 そして『ちよみ』の内縁の夫がウミガメが卵を産み終わって海へ帰る時の速さで私の顳かみに銃を突き付けた。