栄光

夢を見た。朝新聞を読んでいると。なんと私がカンヌ映画祭で、編集賞をもらったという記事がでかでかと載っていた。母はたいそう喜び、私もまさかと思い。単純に嬉しかった。しかし、私の家に来るべき報道陣の姿は無く。寂しい思いばかりがつのった。家の門を出て、報道陣のまるでいない、いや・・・その他の見物客もいない私の家の前で私は独り叫んでいた。夢から覚めると空漠感ばかりが、自分の身に降り掛かってきていた。今日も俺はしがない金融屋か・・・と。仕事まで、まだ時間があったので、もう一眠りした。うすぐらい夢のなかで。壷を覗くと、壷の中に人がいた。これはなんなのだろうと思いもう一度見ると、急に私の目の玉が奴に食われた。ギャ−と言う私の叫び声だけがこだました。