炭坑で金脈を掘り当てる

 債権回収がわかる、と自分では思っていた。強制執行の仕方と活用法も出来ると自分で納得していた。しかし現実には、逃げられてばかりで、時効の援用を出されて終わりだった。なにもかもが遅すぎた。

 城−夢想と現実のモニュメント。城が目の前に立っていた。白いと言うより、灰色がその年月を物語ってた。ひとり歩きの琵琶湖で見た幻覚の城だと思いたかった。その城に入ったのは魔法のランプさえ手に入ればもうこの世界を牛耳れると思ったからだった。