最後の洛陽

 ぼったくりの洗礼の数々を味わってきた洛陽ともお別れ。
時間がかなりあるので駅前でうろつくとようやくこの街の容貌が見えてきて、更に旅の仕方も少しずつ慣れが生じてきたのを実感した。洛陽から蘭州に着いたのは19:30でまたしても宿は不明、と言うか行き当たりばったりの旅にしようと決めていたのでガイドブックは無く手元にあるのは中国のおおまかな地図のみであった。今後の教訓として旅行の下準備は必ずしようと思った。

 駅ではまた客引きがわんさといる、宿を探していると言うと客引きの皆々が相談して。ある一人の老人の宿へ行けと言った。その杖をついてる老人に連れられてまたしても汚い宿というより民家の馬小屋を改造したかのような一室に泊められた。その老人は案内料として幾ばくかの紹介手数料をもらうのだろうと推測した。
 宿の女将は本当は外国人は泊めてはいけない決まりだから見つかれば罰金が科せられるからその分一般の中国人民とは違う値段でお願いねと言った。ここにきてはっと私は驚いた、今迄中国語を勉強した事も無いのにこの女将の言う中国語の全てでは無いにしろ意思の疎通がこの旅を通じてできるようになっていたのだ。これまで中国を旅していると皆英語はもちろん他の言語など全く無理の為、自然と中国語を覚えざるを得ない状況であったので後々考えると当たり前なのだが、英語の文法が苦手で苦労した私としては語学を学ぶ上での新しい発見であった。