督促OL修行日記

督促は天職だと思っていた。最初に電話をかけた時に対応したお客様は覚えている。タクシーの運転手だった。その頃の私は仕事もせず夜中ずっとドラクエしていたような生活だった。そのフラフラしていた時に派遣の仕事でたまたま適当に派遣登録して行った先だった。そこは消費者金融の督促で怒鳴られたり嫌われたりするのが普通だよなと最初から、思っていた。でも最初に出たその人は違った、それが続いた全てだ。いきなり感謝されたのだ。身内も誰に頼んでも貸してくれなかって、もう首を吊るしか仕方ないところまで追い込まれていたところに、あなたところに融資してもらって助けられたのですよ。とそのタクシーの運転手は言った。まさかこんなところに人助けがあるのかと私はこの一言でこの仕事を続けていく指針となったのだった。

中国の遊園地

閉園が早い中国の遊園地にて。ドラえもんのアトラクションに下の息子と楽しんでいると。いきなり閉園のアナウンスが流れ。閉園後の立体駐車場で私の車が強制的に移動させられている。何故かタイヤの空気を抜かれそのタイヤも回収されて移動させられそうになっていた。怒って移動させようとしている人を怒鳴ると見ると森T監督だった何故か…。その後何故かその遊園地のスタッフになっている。迷子がいるので4階フロアのゲームセンターコーナーへ向かえとの指示が無線で来る。ペアの女と向かう俺。

祈りへの悲哀

高層ビルの解体作業をしている私。その下のプールで遊んでいる下の息子。わざと危険なシチュエーション。案の定ビルの解体している天井が子供達の遊んでいるプールへと落下する。天井に完全に塞がれるプールと親たちの悲鳴。下の息子がいない事に動揺する、私。何時間も水の中にいるのはほぼ溺死が確実となる。この時無神論者なのに何故か「神よ!」と祈った私。それは神への悲哀でもあったのだろうか。追加、昔働いていた本屋のS本課長がつるっぱげで鼻の下に剛毛な髭面のワトソン君みたいになってた。そして、カリフォルニア州の端っこの土地を買おうとしていた。

生の行動指針

脳梗塞を発症し、その後何年も介護施設で車椅子の生活で、その後病院のベッドの上で食べる事すら出来ず他の臓器は健康なために胃ろうで栄養を取って生きながらえた祖父を思い出していた。あっけなく終わる命と生きながらえる命との差はその個体の強さによるのだろうか。そう考えていると連綿とこの地球で続く命とその外に広がる宇宙を思うと目眩が私を襲った。そして我ら何のために生かされているのか。その根本の懐疑に怯える時に天然の旅情につかなくてはならないとの思いが益々募ってきていた。

絶歌

人を殺して快楽を得る者に対して、人殺しは何故ダメなのかと聞かれてたのに対する答えは何だろうか自問した。私も酒を飲んで人を殴り打ちどころご悪かったら死んでいた事を思い出した。殺すつもりは無かったとしても殴る事は何パーセントかの確率で相手が死に至る可能性はあるのだ。私も加害者になった可能性はあったのだ。山荘では人を殺す事が推奨されており、また害虫などを殺すのは人間の傲慢であり虫や動物植物と人間にも命に貴賎が無いのであればと問われると答えに窮するを得ない。私も偶然に犯罪者にならなかっただけでパラレルワールドの私の別の人生においては加害者になっており苦しんでいるのかも知れないなと夢想した。